石屋のないしょ話

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注連縄は何のために張ってあるのか?

神社の鳥居に注連縄が張られ、神域にある巨岩や巨木にも注連縄が張られてあるのを目にしたことがあると思います。また、お正月には家の玄関に注連縄を飾るし、台所に注連縄を飾る家もあります。

今月は注連縄についてお話します。

注連縄は、稲わらを編んで作り、白い紙で作った「紙垂」を垂らしておきます。この注連縄には、いろいろな意味がありますが、最大の目的は注連縄を張ることによって不浄なものの侵入を防ぐことです。注連縄の「しめ」には「占有」という意味があり、注連縄は神の神聖な領域を示しているのです。

注連縄を張った神社の鳥居は、そこから先は聖域であり、不浄な者が入るところではないことを示しています。また、巨岩や巨木は古代から神聖なものとされ、その周辺は神域でした。ですから不浄なものの侵入を許さないという意味で注連縄が張られているのです。

お正月に家の玄関に注連縄を飾るのも、家に不浄なものの侵入を許さないという意味がありますが、同時に神を招き寄せる目印という意味もあります。お正月には五穀豊穣をもたらす年神が人々の家を訪れるとされているので、年神が迷わないように玄関に注連縄を張り、家の内が穢れていないことを示しているわけです。

また、昔は井戸やかまどなどにも注連縄が張られていましたが、これも、井戸やかまどが神聖な場所とされていたからです。

他にも、大相撲の横綱が土俵入りするとき、紙垂を垂らしたまわしをつけます。これは、不浄なものを土俵から追い払う意味があります。

 

ご参考までに・・・。