仏事Q&A

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上求菩提下化衆生(じょうぐぼだいげけしゅじょう)とは、どういう意味ですか?

菩薩とは、菩提薩埵の略語です。

菩提薩埵はサンスクリット語の「ボーディサットバ」の音写で、意味は「覚りを求める人」です。

菩提が覚り、薩埵が求める人です。

しかし、菩薩は単に覚りを求めているだけではありません。衆生救済を誓ってもいるのです。

菩薩といえば、観世音菩薩・地蔵菩薩・文殊菩薩・普賢菩薩などの名前を思い浮かべるのではないでしょうか?

これは菩薩は、実は覚りを得ています。しかし、完全なる覚りを得てしまっては、衆生救済ができません。なぜなら、衆生を救いたいという気持ちも一つの欲望だからです。ですから、あえて菩薩は仏陀と同じ如来の世界には行かないで、一歩手前の菩薩の位置にいるのです。

一切の人々の苦しみを取り除き、安楽を与えるために菩薩でいるのです。

その菩薩の心を表した言葉が「上求菩薩下化衆生」です。すなわち、「上に向かっては覚りを求め、下に向かっては衆生を救済する」、これが菩薩なのです。

向上心は大切です。自分をより良い位置に高めることは、疎かにしてはいけないことでしょう。

しかし、それだけではバランスがよくありません。周囲の人に対しての思いやりも必要です。向上心があまりにも強くなりすぎると、周囲への配慮ができなくなることがあります。

自分を高めることと、周囲への思いやりを兼ね備えることができれば、あなたも菩薩です。